「なるほど、ネコミミネコ流か! それはうちとも縁のありそうな名前だね!」 アサヒはそう言ってさっきまでの刺々しい態度を豹変させ、屈強な見た目に似合わない、人好きのする笑みを浮かべた。 「いや、試すようなことをして済まなかった。 ミツキからの手紙を読んだのだが、その中の大体4割近くが君の剣への賛辞で占められていたからね。 少し興味を持ってしまったんだ」 それを聞いて俺は、心の中だけで「ミツキィ!」と叫んだ。 俺がミツキに勝ったことは書かなかったとしても、そりゃあ手紙の半分近くを使って俺の戦いをベタ褒めしていたら意味がない。 というか、特定の人物をそんなに褒めていたら、親としては何かあるんじゃないかと勘繰るのが普通だろう。 俺がそんなことを考えていると、アサヒの手が目の前に差し出された。 「ワシは旭日《あさひ》・氷雨《ひさめ》。 ここの道場主をやっている。 よろしく頼むよ、ソーマ君」 「…はい