『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』(以下「知恵のかりもの」)をクリアした。結論からいえば楽しいゲームだった。とはいえ、気になるところもある。「ゼルダの伝説」シリーズの総合プロデューサーである青沼英二は、「見下ろし型ゼルダのアタリマエ」を見直すと語っていたが、私は本作から旧来の「アタリマエを見直す前のシリーズ」の態度も感じとれた。 これは確かに見下ろし型ゼルダとして新鮮なのだが、ときに矛盾も感じられるようなものでもあった。 「高さを操作できる見下ろし型ゼルダ」が常識を破壊する 「知恵のかりもの」は、謎の裂け目に飲み込まれたハイラル王国を救うため、ゼルダ姫が冒険をするアクションアドベンチャーゲームである。 ゼルダ姫はリンクと異なり通常は剣を振り回すわけではないので(岩や箱は投げるし、剣も振れないわけではないのだが)、仲間の「トリィ」から借りた力により、さまざまなオブジェクトや敵を「カリモノ」とし