「アゲインスト(向かい風)やと、燃えるわあ!」。おそらく海馬が無いか壊れている友人がロードバイクの下ハンを握り、全力でペダルを回しながら叫んだ。それに呼応するように、その後ろでドラフティング(風よけ)する友人も、「巡航40キロでいこかあ!」と続く。 ああ、帰りたい。僕は、風の影響を一番受けない最後尾にもかかわらず、死にかけになりながら集団に食らいついていた。この集団から千切られると、もう戻ることはできない。いや、戻ることができずに近くのスーパー銭湯に行ってツイッターをしていた方がよかった。 「やっぱデュラええっすか???」 「軽いし、変速はやいわなあ!!!」 デュラ、とは、DURA-ACEというコンポネント(パーツ)のことで、声の主はフレーム自体を変えないまま、全パーツを、そのDURA-ACEに換装していた。そうとう軽くなったようだったが、かかった費用で柴犬が買える。普通の人間なら、柴犬を
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