広がる不安 世界最大の原発建設計画が持ち上がったインド西部マハラシュトラ州ジャイタプール近郊では、建設反対を訴える看板も(4月13日) Danish Siddiqui-Reuters インド西部マハラシュトラ州ジャイタプールの沿岸部に、世界最大の原子力発電所が建設される──その話題になると、ビジャイ・ラウトは声を荒らげ、当局とインド原子力発電公社(NPCIL)は地元の反対を無視していると興奮気味に語る。 3月、ラウトら反対運動家19人は「暴動」を起こしたとして地元警察に拘束された。「これが民主主義か? 当局者たちは住民に詳しい説明もせずに調査を始めた。06年と07年に、彼らいわく『土地接収の交渉』に来たときも、私たちが一致団結して発言することを許さなかった。各農家を呼び寄せて、農地を接収すると宣告しただけだ」 住民が反発するのには、それなりの訳がある。そして事態に不安を感じるべきなのは、地