情報システム構築のプロジェクトの失敗例が増えている。プロジェクト・マネジャを取り巻く環境は厳しさを増すばかりだ。もはや、個人任せのマネジメントでは成功はおぼつかない。ITベンダーは場当たり的な対処をやめ標準プロセスを作成・改良している。CMMIという“教科書”を利用しつつ、現場で活用されるように工夫を凝らす。 契約金額5億円で受注したプロジェクトの開発費が最終的に10億円にも達し、大赤字になってしまった」――。これはある大手国内ITベンダーのプロジェクト・マネジャがふと漏らした話である。続いて「最近は小粒のプロジェクトが多い。この5億円の赤字を埋めるためには、何十件ものプロジェクトを着実にこなさねばならないが、それだけやればまた失敗プロジェクトが出てくる。悪循環だ」と語り、ため息をついた。 IT産業の低迷が続き、ベンダーの事業環境は厳しくなっている。「昔はハードを販売した利益でソフト開発の