■方角の不思議 1874(明治7)年5月、神戸-大阪間の鉄道が開通した。現在の神戸駅は3代目で、1930(昭和5)年にできたときから場所は変わらない。実はこの駅舎、長年にわたって神戸人を惑わせてきたある不思議が存在する。それは、誰が悪いわけでもなく…。 神戸駅(神戸市中央区相生町3)の北側に「駅南駐車場」があり、東側には「駅南口」のバス停が存在する。他にも、駅から見た方角を冠しているものの、名前がおかしな施設があちこちに点在している。 なぜこのような事態になっているのか。奇妙な現象について取材を進めると、神戸特有の興味深い背景が分かってきた。 JR神戸線は県内の瀬戸内海沿いを東西に結び、駅舎も基本的には東西に長いケースが多い。そのため、改札口を通った後の出口は「山側が北、海側が南」という駅がほとんどだ。 しかし、神戸駅は南北に長く、中央口の改札も南北に出入りする形になっている。そこから山側