2014年10月、温泉まちづくり研究会(以下、研究会)を、愛媛県松山市「道後温泉」にて開催した。2014年は、道後温泉の象徴「道後温泉本館」が改築120年の大還暦を迎えた年。記念事業「道後オンセナート2014」(2014年4月10日~12月31日、以下、オンセナート)により、道後温泉本館をはじめ温泉街がアート作品へと変貌をとげ、「最古にして、最先端。日本最古の温泉街で展開される最先端のアートの祭典。」が、テレビや新聞、雑誌等多くのメディアにも取り上げられ、注目を集めていた時期でもあった。 しかし、道後温泉で研究会を開催した理由は、「オンセナート」ばかりではなく、これまで道後温泉で取り組まれてきた堅実なまちづくりに多くの学びがあると確信し、会員間で共有したいと強く感じたからである。 本コラムでは、道後温泉のまちづくりの中でも、“民間主導”の取り組みに焦点を当て、その一端を紹介したい。 道後温