建設資材に含まれるアスベスト(石綿)を吸って中皮腫や肺がんになったとして、京都府内の元建設労働者と遺族の27人が国と建材メーカー32社に約10億円の賠償を求めた集団訴訟の判決が29日、京都地裁であった。比嘉一美裁判長は原告15人について国に約1億円を、原告23人について建材メーカー9社に約1億1千万円の支払いを命じた。 全国7地裁・高裁で係争中の集団訴訟で、建材メーカーの賠償責任を認めたのは初めて。国の責任を認めるのは東京、福岡、大阪の3地裁に続き4件目。 京都訴訟で原告側は、建材の種類やメーカー別の市場占有率から「原因企業」を絞り込み、責任を追及。メーカー側は原告らの健康被害が自社の建材によるものかどうか特定されていないと反論していた。(米田優人)