12月17日に死去した北朝鮮の指導者、金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記は、恐怖政治を敷き、同胞が飢えているのを尻目に核兵器を開発していた世界で最も無慈悲な専制君主の1人として歴史書にその名を残すことになるだろう。 表舞台に出ることがなく、69歳か70歳に達していた金総書記は、欧米のメディアでは狂気の独裁者のカリカチュアとして描かれることが多かった。 ふわふわした髪型と上げ底シューズで低い身長を補った大食漢のプレーボーイだとか、DVDのコレクションが2万枚を超えるインターネット中毒だと言われていた。ヘネシーのコニャックの最大のお得意様だった時期もあった。 狂気のイメージとは裏腹の切れ者、恐怖政治で国民を支配 しかし、2000年に平壌(ピョンヤン)で会談したマデレーン・オルブライト元米国務長官によれば、総書記は頭がおかしいという世間一般の印象とは違い、「理性を欠いた人物ではなかった」