ジェンダー意識の偏りは日常においても「足かせ」 ――日本人のジェンダー意識がつくりだしている様々な束縛をどうご覧になっていますか? 北村 「男らしさ」にしろ「女らしさ」にしろ、文化圏や時代によって「らしさ」のイメージはかなり異なります。日本で「男らしい」とされることが他の地域では男らしくないとされたり、逆もまたしかりです。私たちの多くが食事を食べるときに「いただきます」という習慣をもの心つく頃から身につけるとの同じような感じで、それぞれの生育環境で、ジェンダーによる「らしさ」のバイアスが刷り込まれています。 たとえば、男はあまり感情を見せない、人前で泣いたりするものではないといったイメージは日本にも英語圏にもわりと広くあるものですが、日本ではそれだけではなく、夫は家のことには口を出さない、家のことは妻に任せきりにするのが男らしいという感覚が根強くあると思います。 一方で家のことは細かく把握