印刷 東日本大震災の被災地で葬儀をめぐる苦情が相次いでいる。遺体の安置が1日10万円、ドライアイス代も1万円……。高額な請求が被災者を苦しませる事例がある。犠牲者の葬儀はお盆前のいまも営まれており、業界団体が注意を呼びかけている。 「遺体安置料 80万円」。津波で妻(52)と母(81)を亡くした宮城県石巻市の会社員の男性(55)は請求書の数字に驚いた。 近くの葬儀社に頼んで遺体を4日間斎場に安置した後に火葬。数日後に葬儀を済ませていた。 「なぜこんな高いのか」。男性が問い合わせると、担当者は「斎場に安置する手数料が1人1日10万円。他のご遺族も同様に払ってもらっている」と説明したという。渋々支払ったが、5月に同じ葬儀社に依頼した知人は、安置料を請求されなかったという。 「震災の混乱に乗じてふっかけられたのかも。納得いかない」と男性は憤る。安置料の相場は1日数万円とされ、県葬祭業協