原発のようなシロモノを、そもそも民間企業は保有してはならない。原発のように、一旦事故が起こったときに被害が天文学的数字になり、また、放射能汚染によって国家の存立に影響するようなシロモノは、民間企業が手を出してはいけないのである。 なぜか、というと、まず、「外部性」の問題がある。原発事故では国民に天文学的な被害を与える。しかし、被害が出ても電力会社は補償することができないし、そもそも全額を支払うことなど考えてもいないだろう。これは何を意味して言えるか、というと、原発のコストが、この「まさかのときに踏み倒される補償費」の分だけ安くなる、ということである。 このコストは、もしも市場が機能していれば、事故が起こったときに支払われる保険の「保険料」という形で具体的に示すことができる。しかし、対人・対物無制限で、狭い範囲に人や資産が集中している日本のような国では、この保険料は膨大な金額、おそらく、原発