地元っ子に「クタクタ麺」と呼ばれる伝統的な博多のうどん。コシがなく、歯ざわりがクタクタだということに由来しているらしい。しかし、味は他のうどんにはない独特の深みをもっているので、一度食べたらやみつきになること必至だ。 昭和ただよう店で出合ったクタクタ麺 JR博多駅を北に徒歩20分。福岡市内でも1、2位を争う大きな規模の呉服町の交差点をひとつ裏通りに入ると、そこには下町の匂いが充満している。「クタクタ麺」の博多のうどんと言えばココ!とその屋号が必ず挙げられる「みやけうどん」をまずはご紹介したい。 昭和にタイムスリップしたかのような店内の様子に気を取られていると、初めての客だろうが常連だろうが、この店が開店した昭和29年(1954)に生まれたという2代目のご主人が、客が席に着くより早く「何にしまっショ」と注文を聞きに来る。 この尋常ならざる素早さは、シンプルなメニュー展開にも理由があるのだろう