東洋紡は11日、肌着の裏地に貼って心拍数などを測れるフィルム状の素材を開発したと発表した。薄くてよく伸びる特徴を生かして、体の状態がわかるスポーツウェアや医療分野での利用を想定する。アパレルメーカーなどと組んで2017年度の商品化をめざす。 「COCOMI(ココミ)(心美)」と名づけた素材は、電気をよく通すペースト状の物質を樹脂ではさんでいて、電極や配線の役割を果たす。厚さ0・3ミリで2倍の長さに伸びるため、自然な着心地が保てるという。 肌に接する部分で筋肉の微弱な電気信号をとらえ、スマートフォンなどにデータを送って表示する。心拍数のほか、呼吸数や汗のかき具合など、測れる要素も増やしていく考えだ。メンタルトレーニングや居眠り運転の防止などへの応用も視野に入れる。東洋紡は17年度に2億円の売り上げを見込んでいる。(山村哲史)