たこ焼きを製造販売する井手前フーズ(本社・大阪市)は4日、においを出さない無色無臭たこ焼き「たこ焼かず」を発表した。材料と製法を一から見直すことで、たこ焼きの雰囲気は残したまま、においのみ99.9%以上消すことに成功した。 たこ焼かずは、同社が「たこ焼きの完全無臭化」を目指し、4年の歳月と9億円の研究開発費を投じて完成させた新商品。その名の通り、焼かずに蒸すことで、たこ焼き独特の香ばしいにおいを除去。生地の材料も、においの強い小麦粉と卵から、無臭のアガーパウダーに変えた結果、中の具が透けて見えるようになった。 開発のきっかけは、たこ焼きが苦手な人でも食べられるよう、たこ焼きの本質であるタコだけを残し、それ以外の味やにおいを消した「初心者向けたこ焼き」の研究。だが「新幹線の車内でたこ焼きや豚まんを食べるのは他の乗客に迷惑だ」という近年の風潮が追い風となり、車内でもたこ焼きらしさを味わいたい人