岡山大学は、オンコリスバイオファーマが臨床開発を進める腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」が、休眠状態にある細胞周期を回転させることで、効率よく胃がん幹細胞を殺傷することを確認したと発表した。 同成果は、同大大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学分野の藤原俊義 教授、同 矢野修也 医師、カリフォルニア大学サンディエゴ校(外科)のRobert Hoffman教授らによるもの。詳細は、米国科学雑誌「Clinical Cancer Research」に掲載された。 がんの根源を成す「がん幹細胞」は、分裂して自分と同じ細胞を作り出すことができる「自己複製能」とともに、いろいろな細胞に分化することのできる「多分化能」を有しているため、がん幹細胞を根絶しない限り、がんの根治は難しいと考えられている。 しかし、がん幹細胞は、分裂停止状態に留まることができ、多くの場合、細胞周期が静止した「休眠状態」にあるため