広瀬正一研究員(東京大学:現テルモ株式会社)、高山直也助教(京都大学CiRA:現オンタリオ癌研究所研究員)、江藤浩之教授(京都大学CiRA)らの研究グループは、iPS細胞やES細胞に2種類の遺伝子(c-MYC、BCL-XL)を導入することで、試験管内でほぼ無限に増殖することの可能な赤血球前駆細胞を作製し、さらに成熟した赤血球へと分化させることに成功しました。この赤血球は胎児タイプのヘモグロビン注4)を主体にしているものの、酸素運搬能やマウスに輸血後に血液中に循環能を持っていることが確認できました。この技術は、ドナーの献血量に依存することなく安定的に赤血球を生み出せるため、将来、輸血の新たな選択肢として、輸血システムの安定化に役立つことが期待されています。