他人の考えや感情を理解する能力はどのように成長していくのかという事に関する研究である。 近年、自閉症児者には相手の欲求、意図や信念等の心理的な状態を把握する認知能力に特異的な弱さがあるらしいということがわかって来たのだのだという。 自閉症児者に特有の社会性の問題(社会的相互交渉の障害)は、他との相互的なやりとりのできなさだけでなく、その心理状態を把握する能力の弱さや、そこからも派生するだろう共感性の弱さにも起因しているということである。要するに、他人の視点に立ったり、感情移入たりして、その立場になって考える事が苦手だという言うことなのだろう。 又、それまでの関係の文脈の中からの種々の情報を統合して、その意味を読みとると言ったことも困難であると言われる。行動の意味を理解したり、予測したりする事ができにくい訳であるから、結果的に社会性やコミュニケーションに何らかの問題が生じるだろうことは想像に