2005年11月24日――。 最高裁の才口千晴裁判長は、代理出産によって産まれた子どもの「出生届不受理」の取り消しを求めていた夫婦の抗告を棄却した。この決定によって、代理出産の親子関係は認められず、「出産した女性が母」という既成概念が再確認された。 代理出産に関して、国内初の裁判を起こしていたのは、関西に住む50代の西野徹と妻の典子(仮名)。 二人はアメリカの代理出産エージェンシーを通して、代理出産契約を結び、2002年秋に双子の男の子を授かった。帰国後、出生届が受理されていれば、何の問題もなく家族四人での新しい生活がスタートするはずだった。これまで、代理出産によって子どもを授かった他の日本人夫婦と同じように……。 国内では実施不可能な代理出産を行なうため、アメリカへ渡る不妊患者たちは存在する。日本では代理出産に関する法律はないが、日本産科婦人科学会(日産婦)が会告、つまりガイドラ