著者のキャスリーン・フリンは36歳にしてパリに渡り、世界屈指の料理学校であるル・コルドン・ブルーを卒業した、本人曰く「遅咲き」の料理人であり、フードライターである。その体験を記した著作『36歳、名門料理学校に飛び込む! リストラされた彼女の決断』(柏書房)は好評を得て、ライターとしての生活はおおむね順調だった。しかし、その先にあるはずの進むべき道を模索していた。そんな彼女がある日、シアトル郊外にある巨大スーパーマーケットで、とある女性とその娘に出会った場面から物語ははじまる。 新鮮な農産物や海産物を豊富に取りそろえたスーパーマーケットの中央通路で、その女性はインスタント食品を次々とカートに放り込んでいく。その姿に衝撃を受けるキャスリーン。好奇心旺盛な彼女はそのままその女性を尾行し、ついには話しかけることに成功する。この抜群の行動力が、36歳にして彼女をパリまで導いたのは言うまでもない。 鶏