タイトルを一読すると、この本自体が「ダメ出し」であるかのような内容を想像してしまうかもしれない。けれども、本書ではちゃんと建設的な提案がされている。もっと言えば、建設的な議論をするための基盤についてが語られているのだ。また、「ダメ出し」を終わらせるための「ダメ出し」ともいうことが出来るだろう。 現在の日本は人口減少や少子高齢化といった状況に伴い、労働人口の減少や社会福祉費の増大が予測されている。最近の政治を取り巻く状況はその「縮退モデル」を前提とした予算の削り合いが大きな関心事としてあった。いうなれば、足の引っ張り合いのような政局が展開されていたのだ。本書では、そのようなどちらかと言うと後ろ向きな議論ではなく、もっとポジティブな提案をしていくことをすすめている。「クレクレ型」ではなく「コレヤレ型」へ。ポティブな提案をすること、それをここでは〈ポジ出し〉と名付けている。〈ダメ出し〉に対して〈
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