自然災害が多発する日本においては、災害時に電気やガスの供給が停止した場合を想定し、あらかじめ備えをしておくことが重要です。 石川県立大学生物資源工学研究所の馬場保徳講師は、2011年3月当時、東北大学に在籍しており、東日本大震災による被災を経験。このことをきっかけとして、災害時においても雑草や廃棄された農作物からエネルギーを生産し、地域の防災拠点で活用するための研究を行ってきました。さらに、エネルギーの生産過程で発生する副産物を活用してホップの栽培を行い、これを活用したビール作りにも取り組んでおり、2021年8月には「防災ビール」として製品化を実現しました。今回は、その「防災ビール」誕生までのストーリーを紹介します。 東日本大震災の発生時、東北大学で研究を行っていた馬場先生は当時をこう振り返ります。 「停電が起きたことで、携帯電話の充電は1日、もしくは2日で切れてしまいました。そのせいで家