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ブックマーク / chez-nous.typepad.jp (4)

  • 日本学術会議のこと(3)

    このタイトルで書くのはこれで最後にしたいと思います。前記事の最後に書いたように、日学術会議の会員任命拒否に関しては、その理由の開示についてはしつこく求めていくべきだけれども、それは現在この国が直面している最重要問題ではないからです。けれども過去2つの記事が数日間で10万回近く読まれ、様々な反応が来ているので、それについてまとめてお答えしておきたいと思います。 全体としては賛同を示していただいた方が圧倒的に多いのですが、もちろんネガティブな意見もありました。それも大切だと思っています。ネガティブな意見の大半は、今まさに権力によって学問の自由が侵害されようとしているのに、あなたは何を呑気なこと言ってるんだ! というようなお叱りです。これをきっかけに今こそ政権に打撃を与えるチャンスなのに、学術会議の人文系会員であるいわば当事者が、なんで水をさすようなことを言うのか? と。 それは言論の自由があ

    inurota
    inurota 2020/10/09
    「そうした変化は最初は目立たないものですが、ある臨界点を越えると顕在化してきます。その時こそ、支配者たちが本当に狼狽える時でしょう」
  • 日本学術会議のこと

    これはポンポコ先生じゃなく「中の人」? が書いています。どこが違うのだと言われると困るのだけど。 すでにいくつかのメディアで報道されているように、日学術会議が推薦した第25期の新たな会員のうち、人文・社会系35名のうち6名が、内閣総理大臣によって任命されなかったという事態が起こりました。 ぼくは新会員のひとりであり、昨日の総会に出席しました。前会長の山極寿一さんが退任挨拶の冒頭で、経緯について簡単に説明しました。新会員の名簿は何ヶ月も前から内閣府に提出されていたのに、一部を任命しない事実が知らされたのはわずか2日前だったとのことです。つまりこの決定について現会員や執行部に抗議する時間的余裕を与えない、ギリギリのタイミングで知らされたということです。 こうしたことは、日学術会議の発足以来初めてのことです。過去においても政府と学術会議が対立したことはありましたが、任命者である総理大臣が会員

    inurota
    inurota 2020/10/06
    言いたいことだいたい全部書いてあった。あと報道は、追従は論外だけど、できれば皮肉ったり茶化したりして欲しい。権力側を市民と対等な位置に引き摺り下ろそうとするアクティビティは想像以上に民主主義に重要。
  • 日本学術会議のこと(2)

    昨日の記事について、たくさん質問をいただきました。全部に答えるのは無理だけど、いくつか。 ◯ まず、お前は誰だ?(笑) 的な質問。 ちょっと失礼だけど、まあいい。 このブログは「hirunenotanuki」という名前で動かしてきましたが、別にアイデンティティを隠しているわけではありません。過去の記事を見れば分かります。 日学術会議の会員ならエラい先生なのだろうと思う人もいるかもしれませんが、実は学問的にたいした業績も貢献もありません。別に謙遜して言ってるのではない。ただ京都大学で美学の教授を10年くらいつとめ、この4年間は美学会の会長をしてきて、歳も相応にとってきたので推薦を受けたのではないか。 ◯ 次に、あなたも左翼なのか? というような質問。 違います。たしかにぼくは若い頃テオドール・アドルノやユルゲン・ハーバーマスを読んでいて、その意味ではフランクフルト学派つまり新左翼の哲学を勉

    inurota
    inurota 2020/10/06
    続きのこれも本当に慧眼。「団結というのは何もハチマキを締めてスクラムを組むことではありません。自分とは異なる隣人を許容できる状態のことです」
  • 「言葉の劣化」に抵抗すること

    先日久しぶりに会った知人が何の前置きもなく「君もたいへんだなぁ」としみじみ言うので、いったい何のことかと訊ねたら、国は大学には人文社会科学、とりわけ文学部なんてもう必要ない、という方針なんだろう? 自分は大学の事情はよく知らないが、ニュースで大々的に報道されているからみんな知ってるよ、講義で学生たちに「ぼくたちどうなるんですか?」なんて聞かれたらどう答えるの? と。つまりぼくが文学部の教授であることを知っているので、心配してくれたわけだ。 実はこのような問いは、講義の後すでにある学生から質問されたことがある。それでぼくはどう答えたかというと、「文学部がなくなったって、ぜんぜん大丈夫」というものだった。ちょっとヤケクソに聞こえるかもしれないけど、その時はなぜかそうとしか答えられなかった。質的な問題は「文学部」とか「何々学」などという制度の存続ではないし、自分が今たまたまそうした制度の中で仕

    inurota
    inurota 2015/08/19
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