便秘を放置してはダメ 便秘症は、内科で診る機会がとても多い疾患です。日本において便秘症の有病割合は10~15%程度とされていますから、国内だけで1200~1800万人もの人が便秘に悩まされている計算になります。 便秘症は腹痛などによって生活の質を下げるだけでなく、そのまま放置すると痔や直腸脱といった肛門関連の病気の原因になることがあり、ときに腸閉塞や直腸潰瘍といった命にかかわる疾患すら引き起こし、血圧の上昇を介して心疾患や脳血管疾患とも関連します。 そんな便秘の治療には、いわゆる下剤が使われますが、高血圧や糖尿病の治療と同じく、生活習慣の改善が大切です。便秘に対する非薬物療法としては、食事の改善、水分の摂取、適度な運動などが推奨されています。 食事においては、野菜などで水溶性の食物繊維をたっぷり摂ることが勧められています。食物繊維と水分を十分に摂取することで便は水分を含み、柔らかくなるので