理化学研究所が2023年3月末に、研究者600人を雇い止めするというニュースが、2022年3月下旬に報じられた。トップの解雇によって部屋やチームがなくなるため職を失う研究者が300人もいるのは気の毒だ。一方で10年の雇用期間が終了して雇い止めになる残りの300人は、厳しい言い方かもしれないが、研究の「プロフェッショナル」である以上、やむを得ないだろう。ひとくくりに、研究者の雇用不安の問題にするべきではない。 理研非正規雇用問題解決ネットワーク(理研ネット)は2022年3月7日、理研の松本紘理事長(当時)に「2023年3月末の約600人の研究系職員の雇い止めを撤回してください。無期転換ルールの適用を意図的に避けるための雇用上限は撤廃してください」との要請を、署名と共に行った。3月23日に松本理事長から、要請には応じられないと正式に回答があった。 そこで理研ネットは3月25日午前、末松信介文部
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