『隷属への道』(英: The Road to Serfdom)は、1944年にオーストリア学派の経済学者・哲学者、フリードリヒ・ハイエクによって著された政治学書である。 中央計画経済が必然的な結果としてもたらされる国民生活全体の隷属について警告する内容であり[1]、同時に個人主義や古典的自由主義の放棄も同じく隷属を招くと主張している。本書によって、ハイエクは当時イギリスの学界で一般的であった社会主義(国家社会主義)に対抗する思想としてのファシズム観の転回を試みる。ハイエクによれば、社会主義とファシズムは国家の個人に対する優越を主張する点および、市場の代わりに中央計画経済を導入する点において同根の思想であった。 1944年の出版以来、『隷属への道』は200万部を超える売上を記録し[2][3]、市場自由主義を代表する著作であり続けている。 当初、『隷属への道』はハイエクの論文『理性の濫用と衰退