エニグマはドイツ軍が開発した暗号機です。第2次世界大戦中に使用されていたものですが、エニグマにまつわるエピソードから、現代の情報セキュリティにも通じる教訓を得られます。 ドイツの暗号機「エニグマ」のことは、多くの方がご存じだと思います。小説家や映像作家たちがエニグマの物語に魅了され、作品中で取り上げているからでしょう。最近であれば、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』が記憶に新しいところ。エニグマの解読に成功した著名なコンピューターの父、アラン・チューリング(Alan Turing)を題材としたアカデミー賞のノミネート作品です。 暗号機「エニグマ」 第2次世界大戦中、チューリングは多くの同僚の数学者(と言語学者、エジプト学者、チェスプレイヤー、さらにはクロスワードパズルの作成者など)とともに、ブレッチリーパークにある政府暗号学校なるところに勤務していました。そこは英国の暗