與那覇さんに頂いた本だが,これは非常に面白かった。部分部分については,専門家ではないので議論の実証的な妥当性については評価できないけれども*1,おもに「近世」から現代にかけての日本通史を,「中国化」「江戸時代化」というキーワードで整理し,現代が「中国化」に向かう流れにあるということを論証しようとする議論はスリリング。政治学界隈というか,社会科学の方法論みたいな議論では,特に実証的な歴史学がやってることは禁欲的すぎて含意に乏しい,みたいな批判がされることもあるかと思うが,こういう歴史のダイナミズムを解釈するという仕事は,そういう実証史学とは違うところの歴史学の醍醐味なのかな,と思う(少なくとも僕は好きです)。 中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 作者: 與那覇潤出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11/19メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 193回この商品を含