欧州に生息するウンカ類の一種は、成体になるまで後ろ脚に「歯車」を備え、2本の脚をそろえて真っすぐジャンプするのに使っていることが分かった。英ケンブリッジ大の研究チームが発見し、13日付の米科学誌サイエンスに発表した。 自然界に存在する「機械」は、大腸菌などの鞭毛(べんもう)の根元にあるモーターが知られるが、身近な昆虫で見つかったのは珍しい。歯車の機械は、かつては人類が発明したと考えられてきたが、自然界に先例があったことが示されたという。 このウンカ類は庭でも見かけられ、幼生の体長は数ミリ。葉から葉へジャンプして移動する。左右の後ろ脚の付け根が2個の半円の歯車をかみ合わせた構造をしており、ジャンプ方向が左右にぶれるのを防ぐ。歯は長さ0.4ミリ弱の範囲に10〜12個並んでいる。 成体になると「歯車」はなくなる。幼生のうちは損傷しても脱皮の際に元に戻るが、成体は損傷を修復できないためと考