MOSFETは成熟した電子デバイスなので、品種の選定は一見簡単なように思える。確かにユーザーは、MOSFETのデータシートに記載されている性能指標(Figure of Merit:FOM)についてはよく理解している。ただし実際の品種選びでは、エンジニアが専門知識を駆使して、どのような機器に適用するかに合わせてMOSFETの特性を精査する必要がある。 例えば、サーバ向け電源ユニットにおいてMOSFETをロードスイッチとして使う場合、そのスイッチは稼働時間のほぼ100%の間ずっとオン状態になる。そのためスイッチング特性はそれほど問題にならない。こうした用途向けのMOSFETを選ぶ際に重要になる性能指標は、オン抵抗(RDS(on))である。ただし、スイッチング電源などほかの用途では、MOSFETはアクティブスイッチとして使われるので、ユーザーはオン抵抗以外の性能パラメータも評価する必要がある。本