東京都庁は2021年2月、デジタルシフトで新たな都政をつくる「シン・トセイ」戦略を発表した。主導する宮坂学副知事はIT業界から転身後、都庁のデジタル化の陣頭指揮をとり「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を立ち上げて一躍時の人となった。その宮坂氏が考える東京都の新たなデジタル戦略とは。 シン・トセイは「逃げ場をなくす」ネーミング ――2月に都庁では都政の構造改革戦略として「シン・トセイ」を発表しましたが、このネーミングにはどんな想いを込めたのですか? 宮坂氏: 最初に部下からこの案で行きたいという提案を聞いたときはリスクの高い名前だと思いました。もし改革が緩いと「現都政のままじゃないか」と絶対に言われますから。いまは「逃げ場をなくす」という意味でいい言葉だなと思っています。 「シン・ニホン」を書いた安宅和人さん(ヤフーCSO)と「このままだとチン(沈)・ニホンだよね」と話していたのですが、