創文社と新思索社について、「出版状況クロニクル」2016年7月には、以下のように暗澹たる記事が(12項と13項)。 12.学術出版社の創文社が2020年をめどに会社を解散すると公表。新刊発行は来年3月までとされる。 これは人文書出版社に静かな波紋として、大きく拡がっていく気がする。創文社は千代田区一番町に自社物件不動産を有し、高定価、高正味と学術出版助成金に加え、日キ販をメインとする安定して取次と常備書店網を備え、盤石の学術出版社と見なされてきたからだ。それゆえに『ハイデッガー全集』やトマス・アクィナス『神学大全』の企画刊行も果たせたと思われてきた。 その創文社でさえも売上の回復が見こめず、解散に向かうとすれば、日本でもはや大学出版局を除いて、学術出版は不可能だと考えるしかない。 13.これも人文書の新思索社が破産。 負債総額は5000万円。小泉孝一社長が亡くなり、事業を断念したことで、取