注目するべきは、こうした日本のヤクザグッズが、台湾マフィアにとってお土産としての価値があることだ。そういった何気ないシーンからも、日台黒社会の交流が看て取れる。 一方、日本ではどうかといえば、それぞれのヤクザ組織や個人の交流はあるだろうが、表立って語られはしない。特に、日本の一般市民が台湾の黒社会を肌で感じられる場所は限定される。なかでももっとも身近に感じられる場所といえば歌舞伎町である。 実は太平洋戦争後に現在の歌舞伎町がつくられた経緯には、台湾人コミュニティが関係しているのだが、このあたりの事情は、次回、詳しく紹介したい。 今回は、歌舞伎町で台湾マフィアがもっとも暴れていた時代について紹介する。 「歌舞伎のこのあたりに台湾のマフィアがいたの知ってる?」 歌舞伎町のキャバクラでこの手の質問をしても、今の20代はもちろん30代の娘も応えられないだろう。なにせ、台湾マフィアが日本で活発に活動