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ブックマーク / blog.livedoor.jp/yamasitayu (5)

  • 若宮總『イランの地下世界』(角川新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月14 若宮總『イランの地下世界』(角川新書) 7点 カテゴリ:社会7点 イラン革命以来、イスラームの政教一致体制の国家として知られるイラン。イスラーム法による統治が行われ、さぞかし敬虔なムスリムが多いようにも思えます。 しかし、2022年にスカーフを適切に被っていなかったために「風紀警察」に拘束されたことがきっかけで女性が死亡したことをきっかけに大規模なデモが巻き起こりました。 このデモは多くの死者と逮捕者を出して鎮圧されましたが、現在のイランではスカーフなしで女性が闊歩しているといいます。この変化はどう考えればいいのでしょうか? また、バブル期に多くのイラン人が日に働きに来ていたものの、それ以降となると、イランの人々と接触する機会も少なくなり、イラン人のイメージも持ちにくくなっているでしょう。  書の著者の「若宮總」という名前には聞き終え覚えがないでしょうが、これはこの名前が

    irbs
    irbs 2024/06/18
  • 國分功一郎『スピノザ』(岩波新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    11月24 國分功一郎『スピノザ』(岩波新書) 7点 カテゴリ:思想・心理7点 副題は「読む人の肖像」。「肖像」という副題からはスピノザという哲学者についてのスケッチのようなものかな? と一瞬思いますが。書は400ページを超えるボリュームで、スピノザの主要な著作を「読んで」いきます。 スピノザはデカルトを徹底的に「読む」ことから哲学を始めたわけですが、書はそれを追体験しながら、スピノザの主要著作である『エチカ』を「読む」という構成になっています。 スピノザの全体像をラフに描く前にいきなりテキストの読解に入っていくので、スピノザやこの時代について知らない人にとっては最初はややハードかもしれませんが、読み進めていくと徐々にスピノザという哲学者の特徴が見えてくると思います。  実は自分はスピノザの著作を読んでいないので、書のスピノザの読解がどれくらい妥当性のあるものなのかということは判断で

  • 濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    10月19 濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書) 9点 カテゴリ:社会9点 著者が2009年に同じ岩波新書から出した『新しい労働社会』は、ここ20年程度の中でも非常に大きな影響力をもった1冊で、ここで提示されたメンバーシップ型とジョブ型という雇用のあり方を示す言葉は広く流通するようになりましたし、話題になった筒井淳也『仕事と家族』(中公新書)や小熊英二『日社会のしくみ』(講談社現代新書)も『新しい労働社会』で示された日的雇用の問題を下敷きにしています(ただし、『日社会のしくみ』では著者の『日の雇用と労働法』(日経文庫)や『若者と労働』(中公新書ラクレ)があげられている一方で、『新しい労働社会』は参考文献にあげられていない)。 しかし、一方で著者の考え、特に「ジョブ型」は誤解され続けており、一部(特に日経新聞)では成果型の変形としてこの言葉が使われています。 そんな状況

  • 深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    4月24 深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 1517年、ルターがヴィッテンベルク城の教会に「九五か条の提題」を貼り出し、宗教改革がはじまったとされています。 そんな記念すべき出来事から500周年の年に、ルターから生まれた「プロテスタンティズム」について書かれたのがこのです。 ただし、このは必ずしも宗教改革だけに焦点を当てたではありません。また、ルターやカルヴァンの思想に焦点を当てたでもありません。プロテスタンティズムがどのような政治的・社会的コンテクストの中で生まれ、そのプロテスタンティズムがどのようにその後の政治や社会に影響を与えていったのかということが、このの中心的テーマになります。 ある程度大胆にキリスト教の中にプロテスタンティズムを位置づけ、プロテスタンティズムのその後の展開と政治や社会との関係を描き出す筆致は非常に刺激的で、政

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  • 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    3月27 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:思想・心理9点 「哲学入門」というと、ソクラテスやカントなどの大哲学者の思想を解説したか、あるいは「私が死んだら世界は終わるのか?」、「なぜ人を殺してはいけないのか?」といった、多くの人が一度は感じたであろう疑問から、哲学的思考に誘う、といったスタイルが思い浮かびますが、この戸田山和久の「哲学入門」はそれらとはまったく違います。 今までの哲学的な問に対して、科学的世界観によって、それに答えたり、あるいはそれを解体したりしながら、「神は死んだ(ニーチェもね)」という言葉とともに世界の謎を解き明かそうとしたです。 主にとり上げられる哲学者はミリカン、ドレツキ、デネット。デネット以外はあまり知られていない哲学者でしょう。しかもこのは400ページ超のボリュームがあります。というわけで「読みきれるのか?』と思う人もいるかもしれませ

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