諏訪敦 1992年に武蔵野美術大学 大学院造形研究科修了後、1994年には文化庁派遣芸術家在外研修員としてスペインに留学、第5回バルセロ財団主催 国際絵画コンクール にて大賞受賞。 現在日本の写実絵画界を代表する若手の一人。 アントニオロペスの流れをも組んだ古典的な写実絵画の伝統にのっとりながら、一方で日本的な美、エロティシズム、死の観念に迫る静謐な絵画を描き続けており、特に若い世代での人気が高い。 その人気の高さは画集の売り上げにも如実に表れている。出版不況の昨今、ただでさえ人気のない画集なるジャンルにおいて、彼の画集「どうせなにもみえない」は一万四千部の売り上げを突破し、なお伸び続けている。 リアリズム絵画とは リアリズム絵画、というよりは写実的であるということ自体が芸術において一段と低く見られていた時期があったものだ。 写実主義はながらく絵画の主流であった。古典的な写実主義、すなわ