「ひょうご埠頭」問題で擁護言説 兵庫県議会での不信任決議案が全会一致で可決された斎藤元彦知事(46)を、「港湾利権にメスを入れたことによって闇社会とそこに追随するマスゴミに潰された」などと擁護する言説がネット上で飛び交っている。 県の外部監査が、港湾事業の不備を指摘したことに基づく主張だが、監査人を務めた公認会計士は「監査で知事の提案を受けることはないし、知事の意向をくむこともありえない」と強く、否定する。
1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(88)に対し、検察側は22日、静岡地裁で開かれたやり直しの裁判(再審)で、確定審に続いて再び死刑を求刑した。弁護側は「証拠は捏造(ねつぞう)、無罪は明白」と改めて訴え、結審した。国井恒志裁判長は判決期日を9月26日に指定した。 死刑囚に対する再審公判での死刑求刑は戦後5件目。過去の4件はいずれも無罪判決が言い渡されており、袴田さんの再審も無罪とされる公算が大きい。
古文書からは一揆後も国人たちがやり取りを続け、つながりが残っていたことがうかがえる=京都府庁で2024年4月2日午後3時3分、中島怜子撮影 戦国時代、自治に初めて成功したとされる「山城国一揆(やましろのくにいっき)」(1485~93年)に関する古文書が大量に見つかった。一揆の原動力となった国人(地方在住の武士)らのやり取りが克明に記された新出史料。詳しい分析はこれからだが、専門家は「将来、教科書の記述が変わる可能性もある」とみている。 見つかったのは一揆で中心的役割を担った椿井(つばい)家に伝わる書状の写し124通。馬部隆弘・中京大教授が2021年、奈良県平群町教育委員会に所蔵されていた大量の古文書を見つけた。3年かけて調査し、椿井家の関連文書と特定した。室町・戦国期の書状を江戸時代の子孫が写したものとみられ、京都市東山区の八坂神社に残る原本7通と内容が共通していることから、本物と確認した
2025年大阪・関西万博で、若手建築家の設計するトイレ1カ所が建設費2億円で契約されたことについて、斎藤健経済産業相は20日の閣議後記者会見で「大規模な設備なので、一般的な公衆トイレの建設費と比べて取り立てて高額であるとはいえない」と述べた。 万博の会場は東京ドーム34個分の155ヘクタール。約4…
軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反に問われた化学機械製造会社「大川原化工機(おおかわらかこうき)」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、同社の噴霧乾燥器の温度実験を巡り、警視庁公安部が実験データを一部除外して経済産業省に報告していた疑いがあることが判明した。立件には、経産省から「輸出規制品に該当する」との見解を得る必要があったが、伏せたデータ分は輸出規制品の基準に達しておらず、公安部にとって不利な証拠だった。 大川原化工機側が起こした国家賠償訴訟で、2023年12月の東京地裁判決は公安部と東京地検が捜査を尽くさなかったとして、東京都と国に計約1億6200万円の賠償を命じている(双方が控訴)。公安部がデータの一部を除外した疑いは、控訴審で新たな争点となる可能性がある。
報道陣のぶら下がり取材を受ける大阪市長時代の橋下徹氏=大阪市北区で2015年6月10日、梅田麻衣子撮影 日本維新の会を創設した橋下徹・元大阪府知事が、れいわ新選組・大石晃子共同代表(衆院議員)へのインタビュー記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、記事を掲載した日刊現代(東京)と大石氏に計300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。小川嘉基裁判長は「大石氏の発言は真実であり、不法行為は成立しない」として請求を棄却した。 判決によると、日刊現代は2021年12月、政治家時代の橋下氏の報道対応について大石氏が「気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋だたきにする」「あめとムチでマスコミをDV(ドメスティックバイオレンス)して服従させていた」と話すインタビュー記事を「日刊ゲンダイデジタル」などに掲載した。
自民党安倍派の総会で頭を下げる(奥左から)世耕弘成前党参院幹事長、塩谷立座長、高木毅前党国対委員長=東京都千代田区の同党本部で2024年1月19日午後6時6分、竹内幹撮影 自民党安倍派(清和政策研究会)の塩谷立座長は19日の安倍派総会で派閥解散を決めた後、記者会見に臨んだ。塩谷氏は派閥から所属議員に還流したパーティー券収入分を政治資金収支報告書に記載してこなかった理由を「事務局長から各事務所に『記載しなくていい』と伝えてきた」と説明。記者団から「脱税ではないか」と指摘され、塩谷氏は「脱税という意識はない」としたが、「税務申告は全くしていない」と明らかにした。【畠山嵩】 主なやり取りは以下の通り。 塩谷氏 まずは収支報告への多額な不記載により国民の皆さん、そして党員をはじめとした自由民主党関係者の皆さん方の信頼を裏切ってしまったことに対して心から深くおわび申し上げる次第でございます。 また、
万博推進本部会議後、記者の質問に答える吉村洋文・大阪府知事(右)と横山英幸・大阪市長=大阪市中央区で2023年11月1日午後5時7分、加古信志撮影 大阪府と大阪市は1日、最大2350億円に上振れする見通しとなった2025年大阪・関西万博の会場建設費について、増額分の負担を正式に受け入れると表明した。増額は20年に続く2度目で、当初の1250億円の1・9倍となる。国、府市、経済界の3者が3分の1ずつ負担するルールで、経済界も同日、増額を認めるコメントを発表した。国も開会中の臨時国会に提出する補正予算案に盛り込む予定で、近く増額を容認する。 会場建設費は外国の要人を迎える「迎賓館」やメイン会場の「大催事場」などに関する費用。資材や人件費の高騰を背景に、政府が8月、日本国際博覧会協会に必要額を精査するよう指示し、協会が10月20日、3者を前に500億円の増額が必要との結果を公表した。
「アート作品活用・保全検討チーム」初会合の冒頭で発言する吉村洋文知事(右奥)=大阪市住之江区で2023年8月18日、山田夢留撮影 大阪府所蔵の美術作品105点が咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場に置かれている問題で、府は18日、専門家らで作る「アート作品活用・保全検討チーム」の初会合を同庁舎内で開いた。吉村洋文知事は会議の冒頭で「今月中に地下駐車場の作品の移転に着手する」と表明。移転先は府有施設を検討しているという。チームは今後、105点を含む府コレクションの活用や保全について協議し、今秋に中間報告、来年2月ごろに最終報告をとりまとめる。 チームは山梨俊夫・前国立国際美術館館長が座長を務め、鷲田めるろ・十和田市現代美術館館長、木ノ下智恵子・大阪大21世紀懐徳堂准教授と、上山信一・府特別顧問が出席。府側からコレクションの収集経緯や現在の保管・展示状況などについて説明を受けた。
大阪府の咲洲庁舎の地下駐車場でビニールシートをかけられて置いてある美術作品=大阪市住之江区で2023年7月、山田夢留撮影 大阪府所蔵の美術作品105点が地下駐車場に6年間も置かれた問題で、府は保管場所の変更や活用方法を検討することになった。美術の専門家による「特別チーム」を設置し、展示のあり方を諮るという。 ただ、取材を進めると、約7900点ものコレクションを抱える府に、美術を専門とする学芸員がいないことがわかった。コレクションを誰がどのように守るのか。ハード面だけでなく、人材の不足や責任の所在の曖昧さなどソフト面での不備も見えてきた。 発端は1988年に新美術館の構想ができたものの、府が財政難のため96年に凍結、2001年に白紙撤回したことにある。この間に収集した美術品約7900点は、収蔵されるはずの美術館が造られず行き場を失い、そのうち大型の彫刻など105点は17年から咲洲(さきしま)
<右>卒業式に臨んだ際の髪形=保護者提供(※ピアスの穴を開けたのは卒業後)<左>編み込みをほどいた普段の髪形=兵庫県姫路市で2023年3月9日午後0時15分、幸長由子撮影 兵庫県姫路市の県立高校が2月に開いた卒業式で、3年の男子生徒(18)=当時=が髪形を理由に卒業生用の席に着席することを認められなかったことが判明した。 「友人との3年間を締めくくる思い出づくりができなかった」。黒人である父のルーツを踏まえた髪形だったが、学校側の答えは「校則違反」。多様な背景を持つ子どもが増える中、専門家は「子どもを抑え付けるのではなく人権尊重を」と呼び掛けている。 教師「校内から出てくれ」 生徒は卒業式を「特別な日」と考え、巻き毛である髪質でも整って見えるよう髪を編み込んだ。「コーンロー」と呼ばれ、アフリカにルーツを持つ黒人文化の伝統であることをインターネットで調べ、父親からも話を聞いていた。 父親によ
共産党など少数会派の議員名が記された大阪府議会の議員掲示板=大阪府庁で2023年3月2日午後1時44分、石川将来撮影 半世紀以上、守ってきた議席がなくなるかもしれない。共産党を今、こんな不安が覆う。 1951年の第2回統一地方選以来、議席を有する大阪府議会だ。現在は2人の府議がいるが、4月の府議選ではどちらも当落線上にある。 党の志位和夫委員長も1月に大阪を訪れ、「宝の議席を絶対に守り抜く」と党員らを鼓舞した。そして、こんな「実績」を披露した。条例の制定などについて府に要望や意見を述べる「請願」を府民が出すには府議の紹介が必要だが、2019年4月からの3年間で府議会に提出された約136万人分の請願のうち、9割を超える約127万人分は共産府議のみが紹介した――。「かけがえのない懸け橋の役割を果たしている」と志位氏は強調する。 「コスパ重視」で定数3割削減 共産が議席消滅の危機にある理由は、府
それは、突然の通告だった。閑静な住宅街の駅前通りにあるイチョウ並木(計20本)の幹にテープで留められた1枚の白い紙。「この木は撤去を予定しています」と記されていた。予定はわずか2週間後。張り紙で初めて伐採を知らされた住民女性(34)は「なんで急に……」と困惑するばかりだった。 イチョウ並木は、女性が暮らすマンション(大阪市東住吉区)近くにある。秋になると鮮やかな黄色に染まり、毎年楽しみにしていた。撤去を予告してきたのは、木を管理する市だ。電柱や電線、道路標識の妨げになることが理由という。だが、女性の目にはそれほど邪魔には見えない。市に撤回を求めたものの、年の瀬にイチョウは根元から切り倒された。 市が街路樹の撤去を始めたのは2022年夏から。さらに大阪城公園など各地の公園樹を含めて計約1万本を24年度にかけて撤去するとしている。だが、これに住民が反発。地域政党「大阪維新の会」の市長の下で進む
大阪府の元幹部職員ら22人が、府OBのみが再就職できる「特例」のルートを通じ、外郭団体の「指定出資法人」の役員に再就職していたことが明らかになった。しかも特例ルートの適用が認められた場合、どの役員ポストに誰を充てるかという人選に知事が関与していることも判明した。現職職員による再就職のあっせん行為は府職員基本条例で禁じられているのに、府側による法人側への人事介入が常態化しているという。その実態を探った。【石川将来】 「知事の人選、断れない」 実際の手続きはこうだ。まず、特定のポストに再就職させる候補者を現職職員が選び、知事が許可する。次に、民間のメンバーでつくる府人事監察委員会が妥当性をチェック。過去に法人側と利害関係のある職に就いていなかったかなどを調べる。委員会に認められれば、知事がその人物を法人側に推薦し、法人が採用するかどうかを最終判断する。ガイドラインの運用が始まった2014年以降
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