和歌山県すさみ町の熊野古道(世界遺産)の石垣が、JR西日本和歌山支社発注の落石防止準備工事の際、長さ約4・5メートルにわたり壊されていたことがわかった。 JR側から事前に工事の許可申請は出ておらず、町教委は古道の保護を定めた町条例に違反するとしてJRに原状回復を求める。 石垣は、同町和深川の「長井坂」の古道沿いで、イノシシよけに高さ約50センチ、幅80センチ~1メートル、長さ約100メートルに積み上げられた「猪垣(ししがき)」。江戸時代に造られたとみられる。6日午後、工事用モノレールが古道を横切って山の斜面にも敷設され、猪垣が崩落しているのを、地元の観光ガイドが見つけた。 同支社によると、モノレールは、JR紀勢線の落石防止ネット設置工事を発注したJR西日本グループの建設会社が、工事資材の運搬用に敷設。町教委は、熊野古道の原状を変更する工事などは事前の許可申請を求めているが、JR側からはなか