消費者庁が入居するビル「山王パークタワー」(東京・永田町)の年間賃料8億円が高すぎると批判されている問題で、物件の選定に当たった内閣府の審査委員会が、1時間40分の会議を1回開いただけで入居先を決めていたことが25日、わかった。 同ビルについては、福島消費者相が「賃貸契約は更新しない」と表明したが、選定過程に問題がなかったか議論を呼びそうだ。 物件の選定は、内閣府が今年3月、入居先ビルを公募し、4月10日までに応募してきた18物件について、当時の内閣府国民生活局長ら幹部9人で作る審査委員会が行った。 委員会が開かれたのは4月17日の1回で、1時間40分の会議で決まったという。メンバーだった消費者庁幹部は「事務方があらかじめ評価した点数が適正かどうかを判断した」と説明。福島消費者相は「(内閣府への)近さが重要視され、賃料はそれほど評価されなかった」と選定結果に疑問を示している。