昨日の続き。 地方都市の問題 ここ数十年のあいだに無計画に拡大した「郊外」は、住民が自動車で移動することを前提に形成されている。郊外型の大規模店舗にしろ、田んぼや畠、山林をつぶして広がる住宅地にしろ、車なしでは考えられない。おそらくはアメリカのライフスタイルをモデルにした、自動車の存在を前提にした街づくり、地域づくりが、特にここ20年から30年くらい進められてきた。 そうした政策の結果、鉄道など公共交通網の衰退は著しくなっていく*1。中心市街地の衰退も、この文脈の中で捉えることのできる問題だろう。現在問題とされている「無駄な道路」の話は、街づくり、地域づくりという観点から言えば、こうした政策の失敗をどうするのかという話なんだろうと思う。 こうした政策の失敗は、70年代の田中角栄以来繰り返されてきた景気対策としての公共事業政策と、90年代の規制緩和の流れとが、奇妙に混じり合った結果ではないか