日米の核持ち込み密約をめぐり、外務省の東郷和彦・元条約局長が1999年に関連の極秘文書を整理して後任らに引き継いだと、密約調査に関する同省の有識者委員会に証言していたことが18日、わかった。9日に報告書を発表した有識者委の調査では、東郷氏が引き継いだとする重要文書が欠落しており、99年以降に破棄された可能性が強まった。 東郷氏は19日の衆院外務委員会に参考人として出席し、こうした経緯も証言する見通し。岡田克也外相は、文書が破棄されたかどうかの調査に慎重姿勢を取ってきたが、改めて判断が問われそうだ。 密約調査の関係者によると、東郷氏は条約局長室保管の大量の文書を整理した際、核兵器を積んだ米艦船の日本寄港・通過が核の「持ち込み」に当たらないとする密約に関する文書を、「赤ファイル」として知られる赤い箱5箱にまとめたうえ、文書の一覧表を作成し、保管。有識者委にも示したという。 文書は60年の