実績ゼロでサムスン電子に挑み、毎日のように追い込まれる コンサルタントとしての道を歩み始めた「第16回」 (承前) 今回は、Samsung Electronics社(以下、サムスン電子)から声が掛かったばかりの頃に話を戻し、同社で始まった試行錯誤的なモジュラーデザイン(MD)のコンサルティングの状況と、その過程で知った同社の現場が持つ真の力量を紹介する。 2003年8月初め、韓国のG-MICというコンサルティング会社から連絡があり、9月1日にサムスン電子でトヨタ自動車に関する講演をしてほしいといわれた。私の本『トヨタ経営システムの研究』(ダイヤモンド社)が同年3月に韓国で『トヨタ無限成長の秘密』として翻訳出版され、それをサムスン電子のJae-Yong Lee(李在鎔、イ・ジェヨン)常務(当時)が高く評価したことがきっかけだった(第15回参照)。 そこでハングル語への翻訳にかかる期間を考慮し