まだまだ「光の道」をめぐる論争は続き、「アゴラ」でも山田さんと松本さんの議論が続いていますが、FTTHなど特定のインフラにこだわらないでブロードバンドのあり方を考えたほうがいいと思います。そもそもブロードバンドを全世帯に普及させる必要があるのでしょうか? 水や電力のような基本的なインフラでさえ、無条件に全世帯には保証されていません。たとえば私が無人島に住んで「電気を使いたい」といっても、電力会社は応じてくれないでしょう。電話は、電電公社の時代には電力に近い普及率が求められていましたが、ブロードバンドは生活必需品ではありません。たとえばiPadがなくても、生活には困らない。現代のIT製品のほとんどは、贅沢品なのです。 今後、日本の産業で伸びる余地があるのはサービス業ですが、そのほとんどは生活に必要不可欠なものではありません。今後の成長部門だと言われている「環境」も「観光」も「コンテンツ」も必