髙村:漠然とは持っていたと思いますが、強く意識するようになったのは、最近です。鉱山の企業は、トータルで捉えることを特に強く意識していて、参考になっています。 田中:コンシューマー(民生機器)に近づくほど、売り切り型の意識が強くなります。コマツの場合、一度、そのバリューチェーンに入った顧客は、抜けづらいモデルですね。 髙村:そうした事業モデルが、一番強いと考えていて、どのようにそのモデルを確立するかが課題です。 田中:それ以前に、良い商品で、若干価格が高いけれども、その利点を顧客に納得させられたことで、実現できた面があります。このような発想を、一般的な日本企業に広めるためのヒントを知りたいと思っています。 髙村:日本の場合、本来の強みは、ものづくりにあります。コマツの場合、特に取り組みやすい分野だったのかもしれませんが、それぞれの分野のメーカーが、対象とする顧客や分野を、どんどん掘り下げてい