大学時代、一番面白い授業だと思ったのは阿川尚之さんのアメリカの法律の授業でした。牛乳パックを例に取り、学生の隣の人が牛乳を飲んだと言ったのを私は見た、というのが目撃証言になるのか、なんてことを学生を交えて議論しながら授業を進め、わかりやすい語り口調に夢中でした。もちろん、授業の中身(英語の判例を読んでそれについて議論する授業でした)も興味があったので面白かったのですが。そんな阿川さんの本は、昔何冊か読んだのですが、久しぶりに熱がやってきました。「わが英語今も旅の途中」を読みました。NHKテレビ英会話上級のテキストに連載されていたエッセイをまとめたもののようです。中学生の頃から阿川さんが英語を学び、アメリカの法律事務所の弁護士にまでなってきて共に生きてきた英語という伴侶についてまとめてあります。作家の阿川弘之の息子だからとても恵まれた環境で育ってきたのかと偏見を持つこともできますが、それを超