定年して数年経った先輩に久しぶりに会った。 最近では60歳以降も嘱託みたいなカタチで会社に残れるのが一般的になってきたけど、その先輩は60歳ですっぱり会社からおさらばする選択をした。 そして数年になる。 現役時代も若々しかったが、いまも定年前と見た目はあまり変わらず、50代でも充分通る。 快活でよくしゃべる。現役時代もとっても優秀な人だった。 お互いの空白の数年を埋める会話に一時間ほどかけたあと、話は自然と定年後の話になっていった。 ボクは個人で働いているので定年というものはない。 とはいえ58歳だ。 ちょっと上の先輩が定年後なにを考えどう生きているのか、もちろん興味津々だ。 「佐藤さ、キューブラー=ロスの死の受容プロセスって知ってる?」 「はい。 というか、食物アレルギーになって、それを『受容』できず苦しんで。 あぁ、いまは『怒り期』かなぁ、 あぁ、なんか『抑うつ期』に入ったかなぁ、とか
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