2004年のノーベル物理学賞はグロス、ポリッツァー、ウィルチェクの3氏に送られました。「強い相互作用」と呼ばれる素粒子の間に働く基本的な力の解明に貢献したことが受賞の理由ですが、ノーベル財団が発表した受賞理由の詳細な解説記事の中に、アインシュタイン博士や湯川博士、朝永博士ら、過去のノーベル物理学賞受賞者の名前と共に南部陽一郎先生(シカゴ大学名誉教授)の名前もあがっています。 その記事では「ナンブが作った理論は、理論としての必要十分な詳細さを備えていたが、登場が早すぎたのと、当時の別の問題に対して焦点が向けられていた」と異例の言及があり、先生の業績をたたえています。 物理学の理論的な研究をコツコツと進め、数多くの先駆的な研究テーマを開拓された南部先生の講演会が6月5日にKEKで開催され、多くの研究者が温厚な先生の真摯な研究姿勢に感銘を受けました。 素粒子物理学のパイオニア 南部先生は