約2年ぶりに日本列島に上陸した台風18号。上陸時の勢力は過去10年で最強クラスで、そのコースは死者・行方不明者5千人超の伊勢湾台風を想起させたが、結果的には雨量が予想を下回るなど、大規模な災害は免れた。その要因は――。 台風18号は9月29日に太平洋のマーシャル諸島付近で発生し、勢力を強めながら日本に接近した。 気象庁は当初、紀伊半島周辺から上陸し、伊勢湾の西側を通ると予測。59年に大きな被害をもたらした伊勢湾台風と似たコースとされた。伊勢湾は南側に開いた遠浅の湾で、台風が西側を北上すると高潮が大きくなりやすい。 しかし、18号は予測よりも東側をたどり、愛知県知多半島に上陸。伊勢湾の東側を通過したことで、名古屋港の潮位は当初見込まれた3.5メートルに対して1.5メートルにとどまり高潮の被害はなかった。 さらに速度が上がったことも被害の軽減につながった。南大東島付近では時速20キロ程