インドで発表された2011年国勢調査(暫定値)で、6歳未満の男女比率が男児千人に対し女児914人となり、1947年の英国からの独立以降、最低の数値を記録した。男女比の不均衡の背景には、男子選好、女子忌避の風潮が根強い“伝統”があり、いびつな地域では、女児は中絶や育児放棄(ネグレクト)の対象となる。シン首相は、「国家的恥」と嘆き、国を挙げての対策の必要性を訴えるが、有効な手だては見つかっていない。(インド北部パンジャブ州ファテガルサヘブ地区 田北真樹子、写真も) 「死んだ女児の葬儀で、遺族が『次はあなたの弟をこの世に送ってね』と歌って女児を弔っていた」 同州で男女比の問題に長年取り組んできた地元NGO(非政府組織)のマンモハン・シンさん(60)は過去の風習を語る。 パンジャブ州は、1901年に初めて子供の男女比を示すデータを開示した頃から女児人口の比率は全国最低レベル。1世紀以上たった現在で