◇とどまるか、それとも 福島市を中心とした地域で6月、2週間にわたって応援記者として取材をした。東京電力福島第1原発事故は収束せず、住民は見えない放射能に翻弄(ほんろう)され、「このまま住み続けて良いのか」と苦悩していた。フクシマの現場を伝えたい。 県庁所在地の福島市は、原発から北西に約65キロ。東日本大震災による建物の損壊は軽微で、避難所に行かない限りは街を歩いても地震の被害をあまり感じない。しかし、場所によっては高い放射線量が観測される。 公園で毎時4・15マイクロシーベルト(年間換算20ミリシーベルト超)の線量が記録されるなど、市内でも線量が高い渡利(わたり)地区。先月6日、主婦の酒井隆子さん(38)宅に、小学1年の子を持つ母親6人が集まっていた。 「安全なのかどうか分からないなら、過剰でも安全策を取ってほしい。健康問題は取り返しがつかない」。母親の一人が訴えた。 自主避難すべきか-