■[book]ジャック・デリダ、祈り このところ、ジャック・デリダとジェフリー・ベニントンによる共著、Jacques Derridaを少しずつ読んでいる。深更、眠りに就くまえのわずかな時間、一歩前進二歩後退な読書だったのだけれど、昨夜は眠りを誘うどころかページを繰る毎にどんどん引き込まれ、ついに明け方まで本を閉じることができなかった。新聞を配達するバイクの音を聞きながら、ようやく寝る。 『弔鐘』にも似た特異なレイアウトのこの本は、ページが上下に分割されており、上にはデリダの思想がキーワード別に体系化され、それぞれベニントンによる解説が付されている。その明晰さはデリダをして「テオロジカル(神学的)」ならぬ「ジェオロジカル」といわしめるほどで(“geological”とはもちろん造語で、無理矢理訳せば「ジェフの論理」とでもいうべきか)、ベニントンは、「記号」「書くこと」「固有名」「署名」「贈